足の血管が見える

足の血管が見える

足の血管が見える病気「下肢静脈瘤」

足がだるい、重いと思っていたら、「毛細血管が透けて見える」 という症状に驚いて医療機関に駆け込む人も多くみられます。血管が透けて見えるために人に見られると恥ずかしいという方もいらっしゃいます。ただ、症状はそれくらいでとくに痛むわけでもないので病気かどうかもわからないという方が多いようです。それは「下肢静脈瘤」という病気かもしれません。

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤は血流障害が起こる血管の種類によって4種類ほどに分けられています。足が重かったり、だるかったり、つりやすかったりする症状は変わりませんが、比較的太い血管がボコボコと浮いて見える典型的な症状ではないものの、皮膚の下に青色や赤く血管が筋のように透けて見える網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤について解説します。

足の血管が浮き出る原因

心臓から動脈を通って全身に送られた血液は酸素や栄養分を体の隅々に運び、老廃物や二酸化炭素を受け取って静脈を通って心臓に戻ります。この循環過程で足の静脈は重力に逆らって血液を心臓に持ち上げなければなりません。ふくらはぎの筋肉が血管を絞り上げる力と静脈弁の作用で逆流しない機構となっていますが、これらが機能しなくなると静脈の血流が逆流して静脈内で滞留(うっ滞といいます)します。これが血管を拡張させ、コブをつくって皮膚表面に血管を浮かび上がらせます。

クモの巣状静脈瘤について

クモの巣状静脈瘤

足の皮膚に近い部分には、比較的太い伏在静脈、側枝静脈のほか、ずっと細い毛細血管の皮下小静脈、皮内細静脈が走っています。
クモの巣状静脈瘤はこの皮内細静脈にうっ滞が起き、クモの巣のように浮かび上がって見えるものです。あまりにも細いためコブはできず、ほとんど症状もありません。通常、赤紫色をしています。

網目状静脈瘤

網目状静脈瘤網目状静脈瘤は皮下小静脈が2、3mmの太さに拡張したもので、文字通り、網目状に広がることが多く、膝裏のくぼみによく見られます。鮮明な青色であることが多いようです。
クモの巣状静脈瘤との違いは発症する血管、場所、見える色が違うだけで、発症の原因などはまったく同じです。

クモの巣状静脈瘤の症状

クモの巣状静脈瘤は、太ももの外側や膝の内側にあらわれることが多く、比較的中高年の女性に多くみられます。
症状はほとんどないといわれていますが、足がむくんだり、立ち仕事などの最中にピリリと痛みを感じたりすることがあります。まれに患部が熱を持つことがあります。
日常生活への影響はほとんどありませんので、受診しても経過観察をすすめられることがほとんどです。ただ、大きな血管の静脈瘤を併発している場合もあるので、超音波検査などで確認しておくといいでしょう。

クモの巣状静脈瘤の治療

血管が細いため、ストリッピング手術、血管内焼灼術などは適用できません。おもな治療法は血管に直接硬化剤を注射する硬化療法になります。

硬化療法

機能不全を起こしている静脈に硬化剤を注入して潰します。薬剤が流れてしまわないように弾性ストッキングや弾性包帯で静脈瘤を圧迫します。硬化して潰れた血管は萎縮して消えます。
施術は10分程度で終わります。針を刺すだけなので、傷跡も残りません。患者さんの負担も非常に軽いのが特徴です。
注射した部位がしこりとなったりしますが時間経過とともに消えていきます。また、注射した部分が変色する色素沈着という状態が起こることもあります。
重症の静脈瘤に対しては効果が薄いこと、再発率が高いことなどのデメリットがいわれていますが、軽微なクモの巣状静脈瘤の治療に適しています。健康保険適用の治療です。

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