こむら返り

こむら返りとは

足の筋肉がつること、とくにふくらはぎの筋肉が痙攣することを「こむら返り」といいます。医学的にはこむら返りは有痛性筋痙攣といって、強い痛みを伴う筋肉の痙攣を指します。「こむら(腓)」とはふくらはぎを指す言葉です。ふくらはぎの腓腹筋や平目筋の痙攣が特徴的ですが、この部分に限定したものではありません。全身の筋肉が痙攣することもあり、全身のこむら返りということもあります。
通常筋肉は脳からの命令を受容体が受け取り、これを上手に調整して思った通りに動きます。この調整が何らかの原因でうまくいかないと筋肉が収縮したままで痙攣状態になり、強い痛みを感じます。

症状と原因

こむら返りには昼間に起こるタイプと、夜間、寝ている最中や明け方に起こるタイプがあります。
昼間型は運動中あるいは運動直後に起こることがほとんどで、準備運動の不足や、多汗による運動中の脱水、筋肉疲労が原因といわれています。

夜間、寝ているときにはつま先が伸びてふくらはぎの筋肉が縮んだ状態であることが多く、運動神経が刺激を受けると筋肉を収縮させやすい状態にあります。さらに、足裏に圧がかかっていないために筋肉の緊張を調整する機能が働きにくく、ふくらはぎの筋肉の収縮を強めてしまうことがあります。
夜間のこむら返りを繰り返すような場合、こむら返りを引き起こす原因となる病気が潜んでいる場合があります。下肢静脈瘤、肝硬変、甲状腺機能低下症、脊髄疾患、多発神経炎、腎不全(血液透析)、糖尿病、不安定狭心症などが疑われます。胃切除術後のカルシウム不足、ビタミンD不足からくる骨障害として見られることもあります。利尿剤を服用しているために電解質異常を起こしているケースや、下痢による脱水があるケースもあります。

こむら返りを起こしやすい病気

イオンバランスの異常 下痢、嘔吐、脱水、人工透析、熱中症
血管病変 血管炎、バージャー病、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤
代謝異常 低栄養、糖尿病、肝硬変
内分泌疾患 甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、アジソン病
神経筋疾患 脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィーなど
骨関節疾患 関節炎
薬剤の副作用 高血圧の薬、高脂血症の薬、抗がん剤、喘息の薬、利尿剤、ホルモン剤など

主な原因

「疲労」や「ミネラル(電解質)の不足」

就寝中にこむら返りが起こるのは筋肉疲労が原因のケースが多いのですが、ミネラル不足から起きることもあります。ミネラルは体内の水分に溶けるとイオン化(電解質)し、筋肉細胞や神経細胞の働きに大きく関わっています。ミネラルが不足して電解質の働きが阻害されるようになると、神経伝達や筋肉の収縮などがうまくいかなくなることがあります。
栄養バランスのいい食事によって体内の電解質バランスは保たれますが、ダイエットや偏食によって栄養が偏ると、電解質バランスが崩れることがあります。

「冷え」や「脱水」

大量の汗や下痢などで脱水状態になると、体内の水分バランスが崩れミネラル分が不足してしまい、筋肉が十分な代謝を行えなくなります。神経が異常な興奮状態になって筋肉が痙攣を起こすおそれが高くなります。

「下肢静脈瘤」もこむら返りの大きな要因の一つです

こむら返りを引き起こす要因の一つに「下肢静脈瘤」があります。足から心臓に血液を送る静脈の血流が滞りがちになって血管に負荷がかかり、静脈の逆流防止弁が壊れてしまう疾患です。血管が腫れて拡張し、コブができます。下肢静脈瘤の初期症状として夜中や明け方にこむら返りが起こることがあります。重症になると起こりにくくなります。静脈瘤のある足にこむら返りが起こるのが特徴です。たまに発症する方もいれば、何日か続いて起こる方もいます。適切な治療で症状は改善します。

予防と治療

こむら返りのおもな原因は肉体的疲労と栄養不足です。運動や労働による肉体の疲労、発汗や水分補給の不足による脱水、ミネラルなどの電解質の不足、冷えなどの要因が重なって起こると考えられています。
こむら返りの予防には、筋肉ストレッチや適度な運動を通して日頃から筋肉を鍛えておくといいでしょう。運動後には水分と電解質の補給を怠らないようにしましょう。また、筋肉を冷やさないことも大事です。同時に、バランスのいい食事と水分補給で体内のミネラル(電解質)のバランスを維持することを心がけましょう。とくにビタミンB1が不足するとこむら返りを起こしやすいといわれています。肉や豆類、緑黄色野菜、牛乳などで効果的に取り入れましょう。
漢方の芍薬甘草湯はこむら返りの予防にも治療にも有効です。医師に相談の上、試してみてもいいかもしれません。
こむら返りの背後には表のように様々な疾患が隠れている場合があります。その時にはこむら返りに対処しただけでは不十分です。原因の治療に取り組まなければなりません。こむら返りを頻回に起こすような方は、一度受診して原因を特定することをおすすめします。

コツ1 こむら返りの対処法

こむら返りが起きたときには、まずは収縮した筋肉を伸ばします。こむら返りになった足の膝を伸ばし、つま先をつかんでゆっくりと手前に引き寄せます。届きにくいようなときにはタオルなどを使って引っ張ってもいいでしょう。サポートしてくれる人がいるときは、つま先を足裏から脛の方に押してもらいましょう。
いずれの場合もギュッ、ギュッと繰り返し引っ張る(押す)のではなく、足首を曲げてふくらはぎを伸ばした状態を保持したあと、ゆっくりと戻します。これを痙攣が治まるまで続けます。

コツ2 足冷えを防ぐ方法

冷えもこむら返りの原因となります。冷えて筋肉が収縮することで血行が悪くなり、こむら返りを起こしやすくなります。寒い日の外出や職場などで足元が冷えると感じた時には、使い捨てカイロなどを活用して防寒に努めましょう。
入浴は疲れた筋肉の緊張を解きほぐすのに有効です。より温浴効果を高めるために入浴剤などを使うのもいいでしょう。湯船に浸からない場合には足湯だけでも効果は期待できます。
就寝中にこむら返りを繰り返す場合には、長ズボンを着用し、湯たんぽを使いましょう。
(湯たんぽを使用する際は低温やけどに十分ご注意ください。)

コツ3 ふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎのストレッチは足の冷えを防止するのに役立ちます。同時に、ふくらはぎの筋肉を伸ばすことでコリがほぐれるため、こむら返りの予防に効果的です。
立って机などに両手をつき、足を前後に軽く開いて後ろ足のふくらはぎを伸ばします。左右20〜30秒くらい姿勢をキープすることを1〜3回行います。仕事の合間にもできる簡単なストレッチです。就寝前に行っても効果的です。

コツ4 水分やミネラルの補給

大量の汗などで水分を失って血液がドロドロになってしまうと血行が悪くなり、汗とともに体内のミネラルも失われます。ミネラルの中でもカルシウムやマグネシウムは筋肉の興奮の抑制や収縮、神経情報の伝達に関わっており、これらが不足するとこむら返りが起こりやすくなります。
運動や飲酒などで水分を失ったときには、水分とミネラルを同時に補給できるスポーツドリンクを飲むといいでしょう。ミネラル類は牛乳、小魚、豆類、海藻類などに多く含まれていますので、普段の食生活で積極的に摂るようにしましょう。

コツ5 妊娠中によく足がつる理由

妊娠をすると黄体ホルモンの働きで血管が拡張し、心臓に向かう足の静脈の血流が滞り、赤ちゃんの重さで足の血管に圧力がかかって血流を滞らせることがあります。
さらに妊娠中は運動不足になりがちなため、血行が悪くなり、からだが冷えて筋肉が硬直しやすく、こむら返りを起こしやすくなります。できるだけ下半身や足を冷やさないようにして、できる範囲で足を動かすようにしてください。

TEL:048-822-5489
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